今日はタイトル通り東京工業大学で開かれた講演会、「起源への問い」の第9回に参加してきたのでその内容と感想を書いていきます!素晴らしい講義をありがとうございました。では、早速。
(公式サイト▶https://www.ipmu.jp/ja/20231105-origin9)
※私が講義で聞いてきた内容を改めて書くので厳密性に欠けている可能性があります。より詳しく知りたい場合はご自身でお調べ頂くようお願い致します。
講演1:「人類は生命を部品から作れるのか?」
まず今回の講義の尖兵となった「生命を部品から作れるのか?」ですが、非常に面白かったです。以下簡潔にまとめます。
現在地球上には多様な生物がいます。生物はコピー能力や適応力、自己組織化能力に長けていて機械とはまた別の有益さ、神秘さを秘めているのは皆さんご存知の通りでしょう。ではその生命はどのようにして生まれたのでしょうか?
生命の起源は何億年と昔のことなので正確な事実を知ることはできません。しかしそれを推し量るアプローチの1つとして「生命を創る」ことが挙げられます。ファインマン物理学で有名なファインマン(先生)の言葉“ What I cannot create,I don’t understand.”のように、作れないものは理解できません。生命を作ることで実現可能な生命発生の可能な道筋の1つを知ることができます。
そして生命の発達の流れで考られているのは、低分子▶部品分子▶生体分子・代謝反応▶原始細胞▶︎細胞、というものです。ではまず最初からいくと、タンパク質などの元になるアミノ酸は出来えたのでしょうか?答えはイエスです(メタ的なことを言うと、これが出来てないと私たちは存在しませんw)。コーリー・ミラーの実験というもので実験設備の中で地球原初の状態を再現したら複雑な物質ができた、という結果があります。また、地球では今までに2回全球凍結という氷河期(?)が来ていますが、講演してくれた先生の研究所では、そのように凍結・融解によりDNAが長くなったり、脂肪膜が融合したりしたことが明らかにされており、このように生命が発展して来れることを示しています。
また先生の生命を機能ごとのモジュールに分けて、それぞれを作り、組み合わせて生命を創るという発想は、生物の主要な働きに着目して再現するという点が、とてもおもしろかったです。
総括として先生は、その研究の役割として①生物の起源を探り②生物とは何かを問いかける、ことがあると述べていました。またその後の質問や座談会で述べていた「生物と非生物の境界線」についての例え、「大人と子供に境目は無いけど、便宜上、法的に境を設けているだけ」という考えがとてもしっくり来て長年燻っていた疑問が一挙に解けた感じがしました。
随分と長くなってしまったような(笑)。それだけ分かりやすくて面白かったということです。
講演2:脳を作る幹細胞の運命制御
細胞にもいろいろ種類があり、その中には幹細胞という凄いのがあります。なんとコイツは他の細胞になりかわることができるんです。この講演はその幹細胞がどのようにして自身が変化していくかを制御しているのか、というテーマで行われました。
私たちの脳は10Wでスーパーコンピューター並の性能をできる凄物です。その脳は神経幹細胞というものからなっています。より詳しく述べるとニューロンやグリアというものです。(補足すると、ニューロンは神経に電気信号を流す細胞で、グリア細胞は脳に栄養を運んだりして最近では学習や記憶に役立っているという説もあります。脳腫瘍がグリア細胞にできた場合に悪性腫瘍の1つになります。)そして幹細胞にはニューロンに変化していく時期と、その後のグリアに変化していく時期があります。どうやって、ニューロン▶グリアに変化していく順序を制御しているのでしょうか?
幹細胞だけでこの変化が成り立つことから、それ自身にプログラムがなされていることがわかります。そして講演して下さった先生達は、使い終わった遺伝子を「閉じる」ことで運命制御をしていることを突き止め、その原因となる物質を発見しました。そしてその仕組みを応用することで脳の幹細胞を若返らせることに成功しました。
新生ニューロンについて。先程述べたニューロンについてですが、長い間、生まれてからすぐに作られて大人になってからはできないと言われてきました。しかし最近、大人になった後もニューロンができることがわかって来ました(そしてそのニューロンを新生ニューロンと言います)。なんとコイツはストレスからの回復など実に多様な働きをします。そして新生ニューロンは運動や感覚などの外的刺激で増え、ストレスや老化で減ります。また異常な低下は精神病などを引き起こすと言われています。
しかしそんな新生ニューロンは大人ではあまり作られません。なぜでしょうか?
その仮説として全体として作られる送料が決まっているから、というのがありました。そしてその裏付けの実験として、一時的に新生ニューロンを増やした個体は数年後に新生ニューロンの生まれる数は減っていました。(だから毛根活性化は後の毛根絶滅に繋がるかも笑)
新生ニューロンのような成体神経幹細胞はどのように出来るのでしょうか?実はこれ大人になってからニューロンの生成時期まで若返るのではなく、まだほんの子供のニューロンが生まれる時期に既に生まれています。そして母体感染はこうした起源細胞を減らすため発達障害や精神病と結びついてしまうのでは、という考察がなされています。
以上が脳に関する講演でした。狭い分野ですが我々の存在に密接に結びついていて非常に興味深い講演でした。特に毛根の話が面白かったです。これから、そのような病気の解決策を見つけられるかもしれない、という展望に要期待ですね。
講演3:「圏」を通じて対称性の起源を求める。
始めに言っときます。私には難しくてあまり理解できませんでした!!!!申し訳ないです。
まず空間と対称性について。対称とはとある操作(変換)を通じて同一視できるということ。そして空間とは点の集まりで、何らかの構造(距離や角度など)を持つものです。そして代数多様体とは多項式で定義された図形になります。(x^2+y^2=1のとき円形/複素数がアリなら球体、的な)
そしてここから一気に難しくなります。次に話すのはカラビヤウ多様体について。こいつはストリング理論(超ひも理論)という、1本の紐の振動が物理現象の素であるという理論と関連している(?)らしいです。4次元空間×複素数3次元=実際の6次元(?)となる物質で、3次元(時間を含めて4次元)を超える物質を我々は知覚することなどできないのですが、宇宙にコイツが存在する、と理論上言われることがあります(らしいです)。
そして圏という空間同士の関係性を表す概念は数の抽象化されてもので圏が対称性を持つことで、数が対称性を持つ(???)らしいです。そして圏(虚構)の対称性から6次元空間の曲面の数え上げ(現実)を行えるということです。
正直ほとんど何もわからんかった。詳しくは「圏論」で調べると良さそうです。
考えたこと。
講義を受けて考えたことを書いていきます。
①生物って不思議だな…。特に高校で生物を習い始めてからつくづく感じるのですが、生物には本当に諸々の複雑な機能が調和よく盛り込まれています。その起源に迫るということは、生物とは何か?、その本質に迫るということでもあります。今日のを聞いて、より生物についての知見を深めるとともに関心も深くなりました。
②学問はおもしろい。学校で教えられる科目全てに興味を持つのは難しいですが、のの講演会のように多くの謎やこれまでの発見などを一度知れば、自然と見え方が変わってくるもの。私はよく、苦手な教科を楽しむために入門的な本を読むようにしているのですが、今日の講演会はまさにそうした役割を果たしてくれて、知っている世界の幅が広がりました。
③全く講演とは関係ないのですが、東京工業大学がめちゃくちゃ広くて驚きました。大学ってどこもこんなもんなのでしょうか?
総括
講演めっちゃ面白かったです。本当にありがとうございました。似たイベントがあればまた行きたいです!
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