「飛ぶ矢は飛ばない」
最初に聞いた時「???」ってなりますよね。矢が飛んでいるのに飛んでいないと言うのは矛盾じゃないか、って。
この有名なパラドックス(逆説)は古代ギリシャの哲学者・ゼノンという人が考えたものです。ただの暴論っぽいですが、実は「飛ぶ矢は飛ばない」には証明まであるんです。
今回はそんなゼノンのパラドックスの話をしていきます。
なぜ飛ぶ矢は飛ばないのか?
ゼノンは次のように述べて証明しました。
ある所で矢が飛んでいるとしよう。このとき時間の一点を切り取ると、いつでも矢は静止している。そして次の瞬間もまたその次の瞬間も矢は止まっている。
矢が的に命中するまでの間、どの瞬間も矢は止まっていることになるが、止まっている状態をいくら集めても運動が生まれることはない。よって飛ぶ矢は飛ばない、止まっている。
確かにそうかもしれない、と納得していただけましたか?それとも、そんなことはありえないと思いましたか?
この話、続きがあるんです。今度はとある超有名人がこの説は誤りであることを証明しています。
アリストテレスの反論
アリストテレスはゼノンの考えは誤りであるとしました。その理屈は以下の通りです。
まずゼノンは根本的に国語的な思い違いをしている。
①静止とは、一定時間の間に物が位置を変えないことだ。
②そして運動とは、一定時間の間に物が位置を変えることだ。
彼は時間の一点だけを見て静止していると言っているが、そもそも静止または運動状態かを判断するには時間に幅が含まれてないといけない。
だから彼の説は誤りである、と。
流石、アリストテレス!! やはり期待を裏切らない。なるほど、確かに一瞬だけ見て静止しているというのがまずおかしいですもんね。
また数学的にこう考えることもできます。
飛んでいる矢の速さは (速度)=(移動距離)÷(時間)で求められるが、時間が流れないときは(時間)=0になるときである。このとき式は
(速度)=(移動距離)÷ 0
、となる。しかし数を0で割ることはできないため、この式は成り立たない。
だから時間が流れないときの速さを求めることはできず、彼の説は誤りである。
数学の発達している現代に生きててよかったー!
当時と違って今は0という概念があるためこのように考えることができます。
まとめ
ゼノンの主張、アリストテレスの反論はそれぞれ根拠があっておもしろいものだったと思います。
話のネタに困ったときに披露できますね(笑)
パラドックスは常識的にはあり得ないのに、説得力があり独特の考える楽しさがあります。ぜひ他のも調べてみてください!
このように当ブログでは今後も、おもしろい教養小ネタやその他のパラドックスについて紹介していきます!
ではまた他の記事で会いましょう!!
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